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AIを活かしたリサーチ&クリエイティブ:notebookLM・ChatGPT・ImageFXの実践

  • 執筆者の写真: BPO事業 統括 M
    BPO事業 統括 M
  • 1月27日
  • 読了時間: 12分

notebookLM・ChatGPT・ImageFXがもたらす実践的メリット

ビジネスのデジタル化が進むにつれ、日々の情報収集やコンテンツ制作に求められるクオリティとスピードは加速度的に高まっています。たとえば、新商品のアイデアをまとめるときには大量の資料やWeb記事を読みこなさなければならないし、デジタルマーケティングを手掛ける企業では毎日バナーやLP(ランディングページ)などのクリエイティブを生み出す必要があります。しかし、リサーチやクリエイティブワークには膨大な時間がかかりがちで、しかも専門知識やデザインスキルが欠かせない場面も多いでしょう。


そんな状況に、一石を投じるのがAIを活用したリサーチツールクリエイティブ生成ツールです。ここ数年で急激に進化した自然言語処理画像生成モデルは、人間が従来抱えていた“時間やスキルの制約”を大きく緩和してくれます。特に話題となっているChatGPTなどの大規模言語モデルは、文章生成だけでなく、構造化されたリサーチ情報を提供してくれるケースがあり、多くの企業や個人が注目しています。


本稿では、「AIを活かしたリサーチ&クリエイティブ」をテーマに、以下の3つのツールを中心にご紹介していきます。

  • notebookLM:ドキュメントや情報をAIに読み込ませ、要約やQ&A形式で知見を得ることが可能とされる新世代ツール

  • ChatGPT:説明不要とも言える有名なAIチャットモデルで、文章作成やアイデア出し、リサーチサポートに活躍

  • ImageFX:AIによる画像生成を活用するツールで、バナーやイメージ制作の効率化を支援

これらを実務でどう使えばいいのか、実際に導入するときの留意点や具体的なユースケースと合わせて、一緒に考えていきたいと思います。


1. リサーチ効率化の第一歩:notebookLMという新しい形

1-1. notebookLMとは何か

notebookLMは、Googleが発表したばかりのAI関連プロジェクトの一つで(、ユーザーが持っているドキュメントやノートをAIが学習し、要約・理解を支援するというコンセプトが注目されています。従来の検索エンジンのようにWeb全体を巡回するのではなく、あらかじめ用意した資料や自分のテキストをシステムに読み込ませることで、“自社だけのナレッジデータベース”を作るイメージに近いです。

たとえば、会社のプロジェクトレポートや過去の会議録、顧客インタビューの音声書き起こしなどをnotebookLMに取り込むと、質問形式で「今回の顧客アンケートで最も多かった要望は何?」「競合製品との比較ポイントは?」と聞けば、AIが関係ある文脈を参照して回答してくれるわけです。これは従来の「長いPDFやメモを読み込み、手動でまとめる」という作業を大幅に省力化できる可能性を秘めています。

とはいえ、notebookLMは登場したばかりの技術で、本格的にビジネス活用するにはまだ検証段階かもしれません。しかし、同種の概念(自社データをAIに学習させてQ&Aを得る)は、大規模言語モデルのファインチューニングなどを通じてすでに実現可能です。ゆえに「大量の社内文書を素早く理解・検索したい」「複数チームが知見を共有したい」というニーズがある企業にとって、大変魅力的な進化と言えるでしょう。


1-2. notebookLMの実務活用例

  1. 過去文書の要約・再活用例えば、1年以上前に実施したマーケティングキャンペーンのレポートが何十ページもある場合、要点を拾うだけでも負担です。notebookLMにレポートを読み込ませれば、「どんな施策が効果的だったか」や「予算対効果の結果は何か」を簡単に引き出せます。

  2. プロジェクトドキュメント一元管理スタートアップなどでは、各メンバーが散々にGoogleドキュメントやスプレッドシートを作成しており、探し物が多発するケースがあります。notebookLM的なアプローチなら「プロジェクトXの概要と主要関係者を教えて」と聞けばすぐ答えが返ってくるかもしれません。

  3. 技術マニュアルやAPIリファレンスの参照開発者向けドキュメントを読み込ませておくと、AIがテクニカルな質問に回答してくれる。これにより、新人エンジニアや他部署の人が仕様確認をするときのコストが下がります。

ただし、実際に利用する段階では、機密情報をAIに学習させるリスクや、AIの誤回答をチェックする体制を用意することが大切です。


2. ChatGPT:アイデア創出とドキュメント作成の相棒

2-1. ChatGPTで広がる活用範囲

すでに多くの方がChatGPTを試したり、話題を耳にしたりしているでしょう。OpenAIが公開したこのチャットAIは、文章を生成するだけでなく、要約・翻訳・論点整理・アイデアブレストなど、多岐にわたる機能を持っています。プロンプト(指示文)を投げれば、それなりに整った文章やリストアップを提案してくれるため、「ひとまずたたき台がほしい」「頭の中でぼんやりしているアイデアを具現化したい」シーンで活躍します。

例えば、マーケティング担当者が新商品のキャッチコピーを考えるとき、ChatGPTに「ターゲット層は20代女性で、ファッション小物のECサイトを運営している。シンプルかつお洒落なフレーズを10パターン示してください」と投げてみると、短時間で複数の案が提示されます。そのまま使うかどうかは別として、思考のスタート地点になるのは間違いありません。

また、ChatGPTはリサーチの補助としても便利です。たとえば「最近のSNSマーケティングトレンドを教えて」「競合他社がどんな手法を取っているか概説して」と尋ねると、公開情報や学習済みデータをもとに回答を生成します。正確性には注意しつつも、一次調査の時間を節約できるのは大きなメリットです。


2-2. ドキュメントやコピーの生成事例

  1. ブログ記事やホワイトペーパーのドラフトあらかじめ構成やターゲット読者を指示すれば、ChatGPTが導入文から章立てまで書いてくれます。担当者は校正・追記を行うだけで完成度の高いテキストを得られるかもしれません。

  2. 社内マニュアル作り社内ルールや手順をChatGPTに“対話”する形でまとめさせると、箇条書きやステップ分けした手順を瞬時に作成可能。「もっと砕けた文体で」「初学者でもわかるように」などオーダーすれば書き直しまでやってくれます。

  3. メールテンプレートの作成顧客対応やセールスのテンプレなど、シーン別の文章を自動生成。「クレーム対応のメール例文を、丁寧だけど簡潔なトーンで書いて」とリクエストすれば、ひな形を提案してくれるため、担当者がゼロから考える手間が削減されます。

これらの事例のように、ChatGPTは万能ではないものの、“そこそこ使えるドラフト”を瞬時に生み出す力を持っているため、業務効率化にはかなり大きなインパクトがあります。もちろん、誤情報や文体の調整は人間が最終チェックする必要があるので、そこを怠ると逆効果にもなり得る点は十分意識しましょう。


3. ImageFX:AI画像生成でクリエイティブ制作を加速

3-1. AI画像生成の潮流

ここ数年、画像生成系のAI(Stable Diffusion、Midjourney、DALL-E 2など)が大きく注目を集めています。これらのモデルはテキストプロンプト(指示文)から画像を生成できるため、デザイナーが時間をかけて制作していたバナーやイラストの一部が自動化される可能性をもたらしました。

今回の記事ではGoogleが発表した「ImageFX」と呼ばれるツールを例に挙げていますが、これは画像生成AIの1つの形態で、ユーザーフレンドリーなインターフェイスでプロンプト入力→バリエーション生成→数秒で複数の画像が出力されるフローが特徴です。もともとデザイン経験がない人でも、思い描くイメージを言葉で表現するだけで、おおまかな構図やスタイルの画像を作り出せるため、クリエイティブ制作の敷居が格段に下がります。


3-2. ビジネスでの具体的活用例

  1. バナー広告の下書きキャンペーンやセールのバナーを作る際、デザイナーがゼロからコンセプトを練らなくても、ImageFXで「ポップな色合い、若い女性向け、夏祭りセール感のあるバナー」を生成し、最終的にPhotoshopやIllustratorで微調整するだけで完成度の高い広告ができあがります。

  2. SNS投稿用のイラストSNSで継続的に投稿する場合、インパクトのあるイラストや小さな漫画的バナーを大量に作る必要があるかもしれません。AI画像生成を使えば、数十パターンを一気に生み出して、その中から良さそうなものをピックアップして仕上げることが可能です。

  3. コンセプトアートやムードボードプロダクトデザインやイベント企画のアイデア段階で、AI画像を使いながらチーム内で意見を出す。具体的なイメージが瞬時に共有されるため、ディスカッションが早い段階で深まりやすい利点があります。

3-3. 留意点:品質・権利・オリジナリティ

AI画像生成が便利といっても、著作権や商用利用のルールに注意しなければなりません。学習データセットの出所や商標、キャラクターを彷彿とさせる画像を不注意に使うとトラブルを招く可能性があります。さらに、AIが出力した画像は100%完璧ではなく、細部が不自然になったり手足の形状がおかしくなったりすることも。ビジネスで使用する前に、デザイナーや担当者がチェックして最終調整するプロセスは欠かせないでしょう。

また、ブランドイメージとの整合という観点でも、AI生成の画像が会社のトーン&マナーに即しているかをしっかりと確認したほうが良いです。使えるからといって乱用すると、顧客に「なんかこのビジュアルちぐはぐじゃない?」と思われるリスクもあります。


4. AI活用で広がる業務プロセス:リサーチ→コンテンツ→クリエイティブ

notebookLM、ChatGPT、ImageFXといったツールは、それぞれが別の役割を担いつつも、互いをつなげることで業務フロー全体をカバーできる可能性があります。たとえば以下のような流れを考えてみましょう。

  1. リサーチ/知識管理(notebookLM)

    • 過去の資料や外部レポートをAIに読み込ませ、要点をまとめたりQ&Aを行いながら必要な知見を抽出。

    • 市場調査や競合分析にあたっての時間を大幅削減。

  2. アイデア/ドキュメント作成(ChatGPT)

    • notebookLMで得た情報を踏まえ、ChatGPTに「こんな新商品の宣伝企画案を作って欲しい」とオーダーし、ドラフトを生成。

    • 社内向け企画書やブログ記事の下書きを数十分で書き上げる。

  3. クリエイティブ生成(ImageFX)

    • 企画書やSNS投稿に使うバナー、イメージ画像をAIで生成してイメージを固める。

    • デザイナーが仕上げを行うことで、短時間で多彩なビジュアルパターンを試せる。

  4. 最終確認と微調整

    • 文章中の誤情報や文体を担当者がチェックし、画像の権利関係なども検証

    • 必要に応じてZapierやGASでワークフローを回し、完成コンテンツを投稿したり、社内に自動通知


こうした流れは「人が全く介在しない」わけではなく、“AIが生成したものを人間が仕上げる”というプロセスを取ることになります。これにより、作業時間の大部分を占めていたリサーチや下書き、アイデア出し、イメージ生成といった工程が高速化され、創造的な最終判断やブランド品質のコントロールにリソースを振り向けられるのです。


5. 運用上のポイントと注意事項

5-1. セキュリティ・プライバシー

AIツールを使う際に気をつけたいのは、機密情報をどこまで外部サービスに送っていいのかという点です。ChatGPTなど大規模言語モデルの場合、入力したテキストが開発企業のサーバーに蓄積され、学習に使われる可能性があり、これは社外秘のデータを扱うときにリスクになり得ます。メモや顧客名などを安易に入力しないよう、社内ポリシーをしっかり定めましょう。

5-2. 誤回答や不自然な画像への対処

AIが出力した文章や画像は、必ずしも完璧ではないことを前提にしてください。ChatGPTのような言語モデルは「さも正しそうに見える嘘」を堂々と書き連ねるケースがあるため、ファクトチェックが必要になります。ImageFXのような画像生成AIでも、意図しないキャラクターや著作権に抵触するような要素が紛れ込む可能性がゼロではありません。人間側が最終審査を行い、内容を保証する体制づくりが大切です。

5-3. 過剰依存を避ける

「AIが作ったものだから大丈夫」という考えに陥らないよう、組織として定期的に品質を見直す仕組みを作るとよいでしょう。アイデアやコンテンツの核となる部分を、あくまで人間がコントロールし、AIは補佐役という位置づけで活かすほうが、安全性と独自性を確保できます。


6. まとめ 〜AI時代のリサーチとクリエイティブの新常識

本記事では、リサーチに活かせるnotebookLMの可能性や、文章作成・アイデア出しを高速化するChatGPT、そして画像生成を担うImageFXを軸に、AI活用によってどう業務効率やクリエイティブ品質が高まるかを考えてみました。重要なのは、これらのツールが“単なる便利なガジェット”ではなく、ビジネスプロセスそのものを変革するインパクトがあるという点です。

  • 情報収集の時間やコストを削減し、必要なときに必要な知見を引き出す

  • ドキュメントやコピーライティングの下書きをAIに任せ、人間は校正・アレンジに集中する

  • 画像生成AIで数多くのバリエーションを一気に見られるため、クリエイティブ制作の試行回数が増え、結果として洗練度が高まる

もちろん、AIが生成するアウトプットの精度や著作権の問題、機密情報の扱いなど課題は存在します。しかし、今後の技術進歩を考えれば、AIがもたらすメリットとスピード感は無視できないものになっていくでしょう。特に、企業規模が大きくないスタートアップや中小企業でも、AIツールを上手に活用すれば、大きなリソースを抱えるライバルに対抗できるチャンスが広がります。


“AIによるリサーチ&クリエイティブは、あくまで人間の想像力をサポートするもの”――この認識を持つことで、私たちはAIを「使われるツール」ではなく「使いこなす相棒」として扱うことができます。数年前には考えられなかったほど容易に膨大な情報を要約し、文章や画像を生成する時代になったからこそ、最後の仕上げやブランド価値のコントロールは人間が責任を持って行う必要があります。

今回紹介したnotebookLM、ChatGPT、ImageFXはいずれも非常に注目度の高いテクノロジーですが、今後さらに似たサービスが登場し、機能が拡張されるのは間違いありません。新しいツールが出るたびに試しながら、自社の業務フローに取り入れやすいものを慎重に選別していくことが、デジタル時代のクリエイティブ&リサーチを成功させるポイントになるでしょう。


“AIを活かしたリサーチ&クリエイティブ”は、これからのビジネスにとって当たり前のスタイルになっていく可能性が高いものです。どうしても時間や手間がかかっていた業務を見直し、AIに委ねられる部分を委ねる。その結果、人間はより高度な判断・戦略・コミュニケーションにリソースを割くことができるようになります。こうした動きが広がれば、組織全体の生産性は飛躍的に向上し、社会全体が一段とイノベーティブな方向に進んでいくのではないでしょうか。

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